9.富山と言ったら立山黒部!

富山を訪ねたら絶対にはずせないものといえば、世界遺産にも指定されている「白川郷と五箇山の合掌造り集落」や立山黒部アルペンルート、国宝瑞宝時、砺波平野の散居村などがありますが、もう1つ外せないことというと、ずばり食べることです。富山は、東、南、西という三方は山に囲まれ、しかもその山は急な絶壁となっているような険しい山で、唯一の山ではない北側は日本海に面しているという地形です。この北の富山湾は、日本海側で最も深いという水深1000メートルを誇る湾となっています。浅い部分が少なくて、すぐに急激な崖となる海底のため、水温の変化や海流の流れ込みなどが複雑で、そのことが豊富な海産資源を提供してくれることとなりました。切り立った険しい山は、豊かできれいな水を提供してくれます。そのため、おいしい米づくりもできますし、おいしい米づくりができるということはおいしいお酒もできます。さらに富山は、浄土真宗の信仰が根強い地域でもありますので、そのことが食事にも影響を与えました。このような自然環境や文化を持った富山県は、一つにまとまる力が他の県よりも強い傾向にあるため、食文化に関しても、大勢が集まって食するようなものが多く発展しています。
富山の食文化の代表ともいえる郷土料理を挙げてみると、かぶら寿司やブリ大根、しらエビ料理、黒作り、べっこうと呼ばれる、溶かした観点を醤油と砂糖で味付けをしてとき卵を混ぜて固めたもの、細工蒲鉾、昆布締め、ズイキ、げんげ、よごし、ぶりしゃぶ料理、五箇山豆腐など、数えきれないほどあります。富山湾で水揚げされる魚の中でもぶりは日本全国にも知れ渡っているほど有名で、最高級のぶりといったら富山のブリです。氷見のブリは、東京の市場でも最高値をつけるほどです。ですから富山ではブリ料理も以前から盛んで、かぶら寿司はもちろんのこと、ブリ大根は富山が発祥の地となっているのです。そしてしらエビについてですが、富山湾は水深300mくらいの浅いところには対馬暖流が流れて暖かくなっていて、それより深い部分になると、深層水といわれる、2度前後の冷たい海水があります。この特徴から、ベニズワイガニやブリ、バイ貝というものも取れますが、中でもホタルイカとしらエビは珍しい生き物でおいしいという、富山県の特産物の一つとなっています。しらエビは、そのままで食べてももちろんおいしいですが、かき揚げやすまし汁、昆布じめにしてもおいしくなっています。続いて黒作りとは、新鮮なするめいかを塩で味付けして、イカスミも入れ黒くしたもののことをいいます。富山では保存食として長く食べられてきている郷土料理で、特にホタルイカの黒作りといったら珍味中の珍味となっています。また富山の細工蒲鉾というと、新鮮な海の幸と職人の技があったから作ることのできたもので、とても凝ったものとなっています。富山の結婚式には欠かせません。そして里芋の茎を干したものが、ズイキです。ズイキを白和えにしたりみそ汁に入れたりすれば、独特の風味を楽しむことができます。またげんげというのは、日本海の深海にいる白身の魚で、肉質は柔らかく、その周りを分厚い寒天質が取り巻いています。げんげをすまし汁で飲めば、ぬるっとした触感はあるものの、母乳がよく出るといわれてきました。そしてよごしとは、野菜をゆでて細かく切り、味噌で味付けをして炒り付けたものです。いろいろな野菜で作ることができ、ご飯に乗せて食べればごはんが進むこと間違いありません。また五箇山豆腐とは、縄で縛っても形が崩れないほど固い豆腐で、五箇山の澄んだ水と地元産の大豆を使って昔ながらの製法で作られています。独特の風味と触感も楽しめますし、その他田楽や煮物にしてもおいしい固豆腐です。まだまだ他にも大門そうめんや酒類など、富山に行ったら口に入れたいものはたくさんありますが、ここでさらに付け加えたいのが、報恩講料理といわれるものです。報恩講料理とは、浄土真宗の開祖である親鸞聖人の命日の11月28日前後に、親鸞聖人をしのんで営む仏事「報恩講」が行なわれた後にふるまわれる郷土料理のことです。いかにも浄土真宗が盛んな富山県らしい食文化といえますね。報恩講料理には、その土地その土地で伝統的な料理を並べるのが普通で、例えば五箇山なら、赤カブ漬けや五箇山豆腐などが出ます。これといった決まりがあるわけではなく、伝統的な料理で人々をもてなすということが大切になっている料理ということです。

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Last update:2015/3/10